浅間テクノポリス地域センター

研究会

〜信州オプト研究会〜

信州オプト講演会2012「医・看への光学の活用」

 医学、看護学、工学の3つの分野が連携した“医・看・工融合分野”が、新産業創生の新たな起点として注目されています。 この分野を支える基礎技術の一つでもある「光学」に視点を当て、新規ビジネスへの開拓の可能性を探ることを目的に、先駆的な研究開拓を推進されている大阪大学の山田憲嗣先生、分光計測のスペシャリストである田所利康先生をお招きし、信州オプト講演会を開催致しました。

開催概要

●期日:平成24年2月10日(金) 13:30〜/会場:長野県工科短期大学校 講堂
参加申込案内【Word】(この講座は終了しました)

講師紹介

  • 長野県工科短期大学校 准教授  浅 沼 和 志 氏
  • 大阪大学 大学院医学系研究科 特任准教授
    山 田 憲 嗣  氏  ロボティクス&デザイン看工融合(Panasonic)
  • (有)テクノ・シナジー 代表取締役
    田 所 利 康  氏  博士(工学)

【取材記】「医・看への光学の活用」

「医・看への光学の活用」1 「医・看への光学の活用」3

 「信州オプト講演会2012」を長野県工科短期大学校にて開催致しました。
 開催に先立ち、座長である長野県工科短期大学校 准教授 浅沼 和志 先生による導入ショート講演がありました。
 なぜ、医・看の現場に光技術が使われるか、それは1つには人間の生体に与えるダメージが低いという特徴であるとされており、誤るとやり直しの利かないこの医療・看護に対して様々な有用性を示す技術であること、それを踏まえ、今回の講演会は第1部では講師お二方にそれぞれの専門の立場からの講演をお願いし、第2部は講師も含めたフリーディスカッションという構成で広く意見を聞く双方向のコミュニケーションの場としたいと考え、開催したとのお話がありました。

「医・看への光学の活用」2  本講演ではまず「医・看・工融合分野の開拓と光学」と題し、大阪大学 大学院医科学系研究科 特任准教授 山田 憲嗣 先生よりお話を頂きました。
 医・工“融合”− 阪大ではこの言葉を使う。“連携”ではなく“融合”である意味は、開発は常に看護の視点から行い、また医療現場のスタッフにも工学の基本等を教育するというカリキュラムを実施してきたという経緯からでもある、と興味深い説明がありました。
 常に医療現場と設計・開発者は相補の立場であり、これが世界初である「看護工学」という分野を開拓してきた原動力であると感じました。

 また、医療現場は非常に繊細で緻密な作業を要求される、手先の器用さやその集中力など、日本人にはこの分野を得意とするのではないか、と先生はお話され、更には、まだその実は遅れており、その溝を埋めるのに光学が成せることは多々あるのではと大きな期待を寄せているとのことでした。その具体事例として、光センシング技術からの計測データや画像処理技術で、直接触ることが困難な患部なども「感触」を得られる様なシステムなど、医療現場でも期待が高まる現在開発中の装置やシステムの説明を頂きました。

「医・看への光学の活用」5 「医・看への光学の活用」4

 引き続き、有限会社テクノシナジー 代表取締役 田所 利康 先生より「医・看・工融合分野を支える光技術」と題し、特に医学分野での分析や解析に使用されている顕微鏡の話題を中心としたお話を頂きました。先の導入ショート講演にもありましたが、光は生体に対してダメージが少ない(侵襲性が低い)ものとの視点から、特定部位のみに焦点を当て周辺組織への影響を最低限に抑えて生体を観察する仕組みや、「生きたまま」様々な組織や器官を立体的に観測できるテクノロジーなどをご紹介頂きました。

「医・看への光学の活用」6  第1部終了後小休憩を挟み、山田先生、田所先生両名を囲み浅沼先生進行の下、第2部のフリーディスカッションが開催されました。
 第1部の最後に山田先生からも目下開発・検討中の課題が紹介され、ぜひ皆様のアイディアもお借りしたいとのお話もあり、参加者からは疑問点や意見など立て続けに活発な発言がありました。
 多く上がった質問の一つであるこれからの展望や新技術については、「現場」に出す前の「実証」が必要になってくるが、これは文字通り実際の病棟を使わせてもらわないと実情を把握できず、もどかしさを感じる面もあるとの事。

 しかし、山田先生から大変参考になるお話がありました。大阪大学では今後「実証の場」として大阪駅に近接設置予定の「ナレッジキャピタル」(2013年春竣工予定)を大いに活用していく予定であるとの事で、研究開発の成果を現場に活かしていく実証の開発スピードを高めていけると確信しているとのことでした。
 医・看分野への更に拡がりをみせる光技術の有用性や、看護工学が今までにも増して医と密接な融合をしながら、より大きく発展していくものと感じられた有意義な講演会でした。

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